【私は殺さない】 04.06.20改定
*注 結構、痛くて嫌な話です。
ジメジメの季節。
湿度も高いけど、心も鬱になりやすい。
家の前に黒猫の死体がいた。
今日は本当に暑くて、だから始めは猫も日陰で寝てるのかなって思ったんだけど。
出かけて数時間して戻っても、その猫は同じ場所で同じようにぐったりと倒れたままだった。
お前、いつからそこにいたの?(外傷は特にないけど)何かあったの?
本当は聞いてやりたいけど、もう動かないでも生きていたものに近づくのは何より怖かった。
生きていない、けれど過去に生きていたものというのはひどく恐ろしい感じがする。
元から人工的なものや、そこで脈打つ生き物よりも、死体は怖い。
血が流れる、心臓の音が聞こえる。
それはとても暖かいことで。
やわらかいのに、どこかに温もりがあるのに、もう動かない。
私は何よりも吐き気を催す。
死んだ人を見たことがあるか?
怪我をした人を見たことがあるか?
血を流すよりも
暖かな穏やかな死体。
受け入れられなく、悲しいのかも分からない
それは不思議な感覚を伴う。
死とは恐ろしい。
だから、
できれば今までもこの先も私は殺したくない。
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