キレイ。


君に、強さをあげるよ。僕はたくさんもらったから。


女らしくしろだとか、結婚しろだとかはたくさん言われたけど、
キレイと言われたのは君が初めてだった。
誰より強くなろうと思った。強い方がかっこいいだろう?

「あんたの方がきれいだ」


コツンコツン・・・
階段を下る音。ああ、オセロが来た。
またそんな泣きそうな顔をして・・・。
そんなふうに鉄格子にあたっても何にもならないんだよ。
君は出会った頃からちっとも変わらない・・・本当に子供なんだから。

「10才と変わらないってものはどうかと思うぞ」
泣きながらオセロは笑う。
「だってそうだろ、僕の方がかっこいいじゃないか」
フフ・・・僕は忘れない、この時のきょとんとしたオセロの顔。
「・・・ああ、双葉。アンタは本当にかっこいい女だよ」


最後に君は笑った。
タバコを燻らせて、何も考えていないかのような笑顔。
そう、それでいいんだよ。



強さをあげよう、オセロ。明日、君が笑って僕を殺せるように。



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